『断章』

夢が始まっている

感動が、脳梁を蝕んでいる

脳梁に花が咲いている感動だ


砂を食べて生きる女が ホテルの入り口に立っている

透明な針に喉を食い破られる神秘体験が待っている

沈黙する身体の、どこに口笛が鳴るだろう

それは燐光を放つUFOの、殲滅的交響曲

渡り鳥が重く膨らんだ歌を運んでいる


そっと朝に目覚めが降ってくる

厚い空は、支えを失って倒れる